前編から続く)原始地球の状態から考えるというアプローチにより、実験で生命体と思われるものを生み出すことに成功した、川田薫博士。生命誕生実験に着手したエピソードに迫ります。

──いよいよ生命誕生実験ですね。

ここから液体の反応を促進させて、生命の誕生まで持っていくのはどうしたらいいか。特別な酵素を添加すれば、早くタンパク質をつくれるだろうということは予測できましたが、酵素はタンパク質でできています。

タンパク質をつくるのにタンパク質を使うなんて、普通に考えたら邪道どころか論外ですよね。ただ、そう思ったのには意味があって、酵素は鉱石の超微粒子に触れると分解されて、アミノ酸と有機物に戻るはずだと考えられたからです。

そうすれば、その酵素はタンパク質としての性質は持たなくなります。その実験をまず試してみたら、思った通り、酵素はアミノ酸と有機物に分解され、タンパク質としての性能は持たなくなることがわかりました。

これを確認した上で、アミノ酸も含まれた有機物群に、酵素を添加してみました。観察し始めて3日くらいすると、透明な液体の中に、1ミクロンくらいの小さな物質がポコンと発生するんです。

液体に発生した生命のようなもの

もしかしたら、添加した酵素が多すぎて、一部が分解されなかったのかもしれない。そう思って、酵素の量を半分以下に減らして再度観察すると、また3日くらいで1ミクロンくらいの物質がポコンと発生しました。

おかしいなと思いながら、最初の液体を見ると、その物質が動いているんです。なぜ動くのかわかりませんでした。2回目に試した液体では、物質は完全に静止したままです。

そこで、2回目の液体を連続観察することにしました。すると、1日半くらい経つと、ものすごく緩慢ですが、物質たちが動き出したのです。

物質が動くような作用は、もちろん何もしていません。温度も上げてないし、何かの力も加えていません。静止しているものは、静止し続けるというのが、自然界の法則のはずです。

にもかかわらず、静止していたものが動くというのはどういうことか。動く何かが働いているのは確かです。でも、どうしてかわからない。

再現実験を何度もやらないといけないし、潰さないといけない実験もたくさんありました。悶々としながら、当時大学ノートに大きく書いていた「生命体」という文字を見ていたら、「生体」と「生命」という文字が、別々に頭の中に入ってきたのです。

生命体というのは、生体が先にできて、そこに生命エネルギーが後から入ってくるのではないか。その結果として物質が動き出したのではないかと電撃的にひらめいたのです。

つまり、この物質は、生命エネルギーを得たから、生命体として動き出した。興奮しましたよ。でも、ふと冷静になったら、動いたことは確かですが、生命エネルギーは目に見えないわけです。論理としてはいい。ただ、生命エネルギーを獲得したということを証明しなければ、誰も認めてくれません。

証明しないと私の妄想と言われても仕方がなく、この生命誕生実験は完成しないということです。これを、どうすれば証明できるか。ヒントは目に見えない生命エネルギーにありました。

──これは、いわゆる魂のようなものと考えていいのでしょうか。

その通りです。生命エネルギーが生体に入るとするならば、そのときは凝集体になる必要があります。凝集体は重さが測れるから、それを実証すればいい。証明の筋道ができました。

死が生命エネルギーの抜けた状態と考えると、今度は重さが減少することになります。そこで、死からのアプローチでの証明を考えましたが、ある程度の大きさがないと、重さが観測できないことが予想されました。でも、自分で実証しようとすると、死んでしまいます。

かわいそうですが、ラットに麻酔を打ち、実験することにしました。ラットを密閉した容器に入れ、死ぬ瞬間の重さを測定。実験はうまくいき、2例で70〜100マイクログラムの体重減少を確認できました。生命エネルギーを重さとして測定できることが証明されたのです。

液体から発生した物質は、生命体の定義を全て満たしているとは言えませんが(生命体の4条件。「入れ物をもっている」「自身で維持できる」「自身で増殖できる」「進化していく」)、生命誕生実験は成功したと言えます。

私たちは自分でこの体を選んで生まれてきた

生体が先にあり、生命エネルギーが凝集体となってそこに入るということが、意味していることはなんでしょうか。

生命エネルギーは、自らの意思で、入る生体を選んでいるということです。つまり、私たちの魂は、親を、そしてこの体を、使命を達成するために、自分で選んで生まれてきたのです。

そう考えると、自分の人生の捉え方も、大きく変わってくるのではないでしょうか。セミナーでは、このあたりのお話も、詳しくさせていただこうと思います。(了)

セミナー情報

「タガ外し大学」こころのタガを外し、自由に生きよう。
講師:川田薫(理学博士)
日時:6月13日(土)13:00〜16:30(受付12:45より)
会場:HSB鐡砲洲会議室(八丁堀駅前)/中央区湊1-1-12
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入場料:前売り券3000円(ネット購入)/当日券4000円
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プロフィール

川田薫(かわだ・かおる)
東京理科大学物理学科卒、東京大学地震研究所、東京大学物性研究所を経て、三菱金属中央研究所に入所。科学技術省、通産省などの評価委員、研究員を歴任後、昭和63年に独立し、川田研究所を設立。様々なミネラルの作用を発見し、ミネラルによる土地改良で、低農薬、無農薬農業を推進。実証という科学的立場から生命や魂を探求し、新しい科学技術として発展させようとしている。